データセンター、専用サーバ、ホスティング、DIX(分散インターネット・エクスチェンジ)などのサービスを展開するさくらインターネット株式会社。同社は急増するトラフィック量への対応とサービス拡大のため、フォーステンの「E600」を導入しました。対外接続を増強し、国内最速の36?Gbps?を実現。本格稼働以降ノントラブルで、卓越した信頼性と充実した機能を提供しています。
| 課 題 | 対 策 |
| 急増するトラフィックとサービス拡大への対応。 | 全ポートで10Gのワイヤーレートを実現する圧倒的なパフォーマンス。 |
| フレッツローミングへの対応と不正アクセスなどの防御。 | 充実したルータ機能で対応。 |
| 信頼性の高いデータセンターの維持。 | 機器内冗長化など卓越した信頼性の提供。 |

さくらインターネットのサービス開始は1997年6月。以降、一貫して国内のインターネット市場をリードしてきました。大阪100 Mbps、東京100 Mbps の計200 Mbps で接続サービスを開始。当時のISPは1.5 Mbps でも大容量と宣伝していた頃であり、200 Mbps は画期的な広帯域でした。
1999年9月には対外接続を650 Mbps に増速。2000年6月には大阪・東京間の100 Mbps に加え、JPIXへ1 Gbps 、CWIDCへ100 Mbps で接続。さらに、2003年7月には、100?Mbps の全対外接続を廃止し、すべて1 Gbps 以上にしています。
この大容量バックボーンをベースに、同社のサービスにはデータセンター事業とコンテンツサービスの柱があります。 データセンター事業では、お客様のコンピュータ(サーバ)を優れた回線設備の整った施設に収容。国内で1,000ラックの大規模なコロケーションサービスを提供しています。コンテンツサービスでは、ホスティングサービスと専用サーバがあります。ホスティングサービスでは複数の会員が1台のサーバを共有。専用サーバでは、1会員が1台のサーバを専用して使用できます。
「大容量バックボーンによる極めて高品質なサービスですが、それらを国内ではほとんど最安値で提供しているところに、さくらインターネットの大きな特長があります」と、同社 技術部 部長 鷲北 賢 氏は語ります。 例えば、専用サーバは1台9,800円/月。さらに、2004年7月からはラインアップを拡大し、6,800円/月のサービスも展開しようとしています。
インターネットの浸透に伴い、トラフィック量は1年で倍増しています。この急増するトラフィック量へ対応するためのバックボーンの増強が、同社の大きな課題となっていました。同時に、新サービスの提供のためにも広帯域のバックボーンが必要でした。
また同社では、ブロードバンド時代のコンテンツ配信のために全国から接続できる仕組みが必要と考え、地方のISP向けのサービスDIX (Distributed IX)事業も展開しています。これが急成長し、3本目のメイン事業として同社を支えるようになりました。この地方ISP回線を収容するためにも、バックボーンの増強が求められていました。
2003年の夏頃から増強の検討を開始し、年末には機器の選定に入りました。「増強ですから、卓越したスピードが大前提です。その頃使用していたスイッチでも、10 Gbps の容量は確保できましたが、負荷がかかるとパフォーマンスが著しく低下してしまいます。10 Gbps のワイヤーレートを保証できる製品が不可欠でした」(鷲北 氏)。
同社は地域ISP向けに、NTT東西のフレッツローミング サービスも開始します。ISPに代わって、エンドユーザーである会員のフレッツへの接続や運用を行うサービスで、ISPにとってはネットワークのアウトソーシングになります。これら回線の集約や制御のため、L3スイッチではなく充実したルータ機能が必要となりました。もちろん、企業向けのデータセンターやコンテンツサービスの提供のため、極めて高い可用性も求められます。

これら、10 Gbps のワイヤーレート、充実したルータ機能、卓越した信頼性の3点を重視し、選定されたのがフォーステンの「E600」でした。「E600」は、ワイヤーレートのフォワーディングを実現するほか、トラフィックのアクセス制御や優先制御、BGP/OSPFなどのIPプロトコルも実装。さらに、ハードウェアの完全冗長化とソフトウェアのモジュール化による高い信頼性も実現しています。
2004年の2月に決定し、3月に導入。「導入は思ったよりもスムーズにいきました。初めての機械は予想外のトラブルがつきものですが、そんなことはありませんでした。操作性も汎用的で、使いやすいと思います」(鷲北 氏)。
以降、JPIXへの接続を10 Gbps 化することによって、18 Gbps から27 Gbps へ増速。さらにJPNAPへの接続も10 Gbps 化し、総計36 Gbps という国内最速のバックボーンを実現しています。
「フィルター機能により不正アクセスやアタックを防御でき、大量トラフィック時のパフォーマンス低下がなくなりました。従来のL3 スイッチでは、必要なフィルタリングができず、安定したサービス提供ができませんでしたから、『E600』導入の効果は大きいと思います。さらにフォーステンのEシリーズではリスト更新中のセキュリティも保たれ、安心して使うことができて便利です。」(鷲北 氏)。
アクセス コントロール リスト更新処理中に空白となる数秒間があり、従来はこれが一時的なセキュリティ ホールとなっていました。「E600」ではこれを防ぐため、Hot-Lock™アクセス コントロール リスト テクノロジを搭載して、セキュリティ ホールが発生したりトラフィックが中断されたりすることを確実に回避。全体的なネットワークセキュリティと信頼性、および可用性を強化しています。
「E600」は東京と大阪の2拠点に導入され、対外接続やBフレッツ回線の集約に活躍しています。それぞれ、機器内冗長により、安定した性能を提供。導入以降ノントラブルで稼働しています。
36 Gbps の大容量バックボーンが完成して、一息ついたかと思うと、その暇もないとのこと。「おそらく来年には新たな増強が必要になるでしょう。その検討を開始しなければなりません。今回の導入には間に合いませんでしたが、フォーステンからは『E300』の出荷が開始されており、これには大変興味を持っています。今度の増強の際には検討してみたいと思っています」(鷲北氏)。